ホッキョククマは「何故白く見えるのか?」
2026年09月10日
ホッキョククマ(シロクマ)の白い毛は北極の雪景色に溶け込む完璧なカモフラージュです。
ホッキョククマは水中から氷の端に近づくアザラシの息継ぎ穴の前で静かに待ち伏せる「スティル・ハンティング」を主な狩猟としており、白い毛が雪景色に溶け込むことで近付くまで気付かれにくい、体温保持のための透明な毛が、結果的として優れたカモフラージュになっています。
【毛は透明なのに何故に白く見えるのか】
あの毛は白ではなく、顕微鏡で見ると、色素を持たない透明な管状の構造をしています。透明な毛に光が当たると、毛の表面と内部の境界で光が乱反射されることにより、個々の毛は透明でも全ての波長の光がほぼ均等に散乱することで白く見えます。
雪や白い紙が白く見えるのと同じ原理です。(乱反射による白色の知覚)
【ホッキョククマの体温保持3要素】
①毛の下にある黒い皮膚で太陽熱を吸収する。
密な毛の間をすり抜けた太陽光が黒い皮膚に到達し、熱として吸収される仕組みです。
②二重構造(外毛・下毛)の毛で空気を閉じ込める。
外毛は長くて丈夫で水をはじき、下毛は細かく密で空気を閉じ込め断熱材として機能し、極寒の外気から体温を守ります。
③皮膚下には最大11㎝の脂肪層があります。
脂肪層は断熱だけでなく、食料が少ない冬期間のエネルギー貯蔵として機能します。
毛・皮膚・脂肪層の三層構造でマイナス40℃以下の北極の厳しい寒さを乗り切っています。
※動物園でホッキョククマを見る際は、その毛が本当に「白い」のか、透明な毛が乱反射しているだけなのかを意識して見ることで、同じ生き物の見え方が全く変わります。
