デジタル赤字について

2025年06月03日

デジタル赤字」とは、日本等の国がICT(情報通信技術)分野での輸入超過により、貿易収支がマイナスになる状態を指します。特にクラウドサービスやソフトウェアなどのデジタルサービスを海外企業に依存していることが背景にあります。

 

【デジタル赤字の定義と現状】

1.定義

外国から輸入するデジタル関連サービスや製品が輸出より大幅に多い状態。

 

2.日本の現状

サービス収支の中で「知的財産権使用料」「通信・コンピュータサービス」分野の赤字が拡大

特に米国企業(Google、Amazon、Microsoft等)からのクラウド・広告・ソフトウェア利用料が主因。

 

3.原因

要因              説明

海外依存のクラウド     AWS、Google Cloud等の利用が拡大

海外製ソフトの多様     OS、設計ツール、CAD、Adobe製品等

広告費の流出        Google・Meta(旧Facebook)へのネット広告支出

※自国製品の競争力不足(国産ITサービスがグローバル展開に出遅れている現状)

 

4.問題点・リスク

リスク             内容

経常収支の圧迫       デジタル分野の赤字が他の黒字を打ち消す恐れがある。

経済の対外依存       基幹ITインフラを海外企業に依存することで安全保障上の不安が拡がる。

※国内IT産業の低成長(国産ソリューションが育たず、グローバル競争力が低下している現状)

 

5.対応策・解決の方向性

①国産IT企業の育成支援

・スタートアップ支援(資金調達・税制優遇・実証実験場の提供)

・国産クラウド(Gov₋Cloud)の整備・利用促進

・SaaS・AI・サイバーセキュリティ分野の育成

 

②オープンソース活用と国内開発力強化

・OSS(Open Source Software)を活用し内製化推進

・自治体や省庁におけるベンダーロックインの脱却

 

③IT人材の育成・リスキリング(再教育・技能再学習)

・高等教育・社会人向けのデジタル教育・リスキリング(再教育・技能再学習)

・DX推進人材の確保と待遇改善

 

④知財・技術の輸出促進

・日本発のAI・ロボット技術・半導体設計等をグローバル展開

・海外での特許・ライセンス収入を増やす

 

5.まとめ

項目           内容

デジタル赤字       輸入するITサービスが輸出を大幅に上回る状態

主な原因         海外クラウド・ソフト依存、国産の競争力不足

問題点          経済構造の弱体化、IT安全保障上の懸念

対策           国産ITの育成、内製化、IT人材の強化、輸出促進